げーむ

「ウチは、宮代と戦う。それはもちろん分かってる」


「じゃ、自信があるってこと?」


綾瀬が首を傾げる。


一呼吸おいて、私は言葉を繋げる。


「いや...それは違う、かな」


「...?」


綾瀬も宮代も他のクラスメイトも私の次の言葉を待っている。


「ウチは戦うよ。もちろん全力で。でもそれは相手が誰でも同じことだと...思う」


語尾が小さくなってしまったが、静か過ぎるこの教室では嫌な程に響いた。


「...そっか」


綾瀬は呟いて、さっと笑顔になった。


「美崎は、ここで自分の正義を見つけたんだね」


「...綾瀬は?」


「え?」


綾瀬が一瞬キョトンとした顔になる。


でも、すぐに笑顔に戻った。


「もちろん!私なりの正義、貫くから」


それはどんな正義なの?


そう聞こうとした時、先生が私と宮代を呼んだ。


...第8試合目が始まる。