げーむ

「...ぁ...った...」


声が出ないほど痛いのか、由紀は顔を覆う手を離そうとしない。


「はぁ...これにこりたら、もう殺しあうとか言わないでよね」


そして、永妻に向かって竹の棒を投げる。


慌しく永妻がキャッチしたのを確認して、綾瀬の方を振り向く。


「綾瀬、他の場所にいこ...う?」


「...」


振り向いた場所に綾瀬はいなかった。


いや、いなかった訳ではない。


視界に入らないほど小さくなって震えていた。


「え、綾瀬!!?」


ガタガタと震えている綾瀬の肩に手を添える。


「...み、さき...?」


綾瀬がゆっくりと顔を上げる。


その顔は涙でぐしゃぐしゃだった。


私の姿を視界にとらえると、ガバッと抱きついてきた。


小さな声で何やら繰り返している。


「え...綾瀬、何...?」