げーむ

「じゃ、いくよ?」


不安が拭えないまま、由紀はさっさと竹を持って私に近づいてきた。


少しずつ速度を上げ、確実に私に近づいてくる。


『...喧嘩素人の由紀の腕だとしても、あの竹に刺されれば...ただじゃすまないか』


私はそう判断しながら、最初の由紀の一突きをスッとかわす。


やはり、フォームがあまい。


竹の長さを利用せず、全身を使って踏み込んできた由紀は、つまり腹ががら空きなわけで。


もちろん最初から手加減なんてする気がない私は、思いっきり脇腹を蹴り上げた。


「...っかはッ!!!」


体重が比較的軽い由紀はふわりと宙に浮いた。


さすがにいきなり傘は酷いか、と私は思い、蹴り上げた足をそのままの高さでキープしつつ、一回転する。


一回転した反動で、上がったままの足が宙から落ちてきた由紀の顔にクリーンヒットする。


...いわゆる回し蹴りとかいうやつだ。


由紀の手から竹の棒が離れ、自らの顔を覆う。


そりゃあ、顔面蹴られれば痛いだろうな。


「...で?続ける?」


そう言いながら、床に転がっている竹の棒を拾い上げる。