げーむ

永妻から竹を受け取った由紀は、私の前にすっと立った。


仕方ない。


しぶしぶ、私も傘を持ち直す。


「手加減なんてしないわよ」


「...あたりまえでしょ」


お互いに毒のある言葉を吐きあう。


「美崎...」


心配そうな目をした綾瀬が私に近づいてきた。


そして、何か言いたそうにしている。


「ん?」


「...ううん、何でもない...頑張ってね」


明らかに何でもなくはなさそうなのだが、追求することも出来なかった。


「まーとりあえず?先に殺した方が勝ちってことね」


由紀が悪そうな笑顔を浮かべている。


誰よりもプライドが高いのが由紀だが、それと同時に誰よりも本当は臆病なのだ。


その由紀が自ら、いちかばちかの勝負に出るなんて。


『おかしい...』