げーむ

二人の会話は以前と何ら変わらなく聞こえた。


「...じゃあ、私は持ち場に戻りますね」


「あ、はい。分かりました」


先生が近くの部屋に入っていくのをきっちり見届けてから、綾瀬がゆっくりと立ち上がった。


「ふぅー。セーフ」


先生が苦笑いをしている。


額には冷や汗をかいていた。


再び私達は校舎の中を進み始めた。


普段なら何も気にせず歩いていた廊下。


だが、今はどんなに小さな音も立てられない。


「...」


皆ただ黙って先生の後をついて行った。


「...よし、あとちょっとだ」


ようやく裏口までたどり着き、先生が重いドアを開けた。


ドアの先には、濁った水がはってあるプールがあった。


そのプールの裏側が学校の裏門となっている。


校舎の外に出れた安心感からか、私達は自然と小走りになった。


表情にも明るい色が映りはじめる。


あと少し。


あと少しでこの地獄から抜け出せる。