げーむ

それから、私達は改めて喉を潤すことにした。


私と綾瀬はコーヒー。


梅くんは紅茶。


慣れた手つきで、綾瀬がコップを3つ運んでくる。


「そういえば、綾瀬ってコーヒーとか紅茶とか淹れられるようになったの?」


綾瀬が一瞬、動きを止めたように見えた。


が、すぐに私に向き直り、笑顔で言った。


「出来るようになったんだよ。たくさん練習して...」


「へェー、感心だねー」


私は綾瀬からコーヒーを受け取りながら、言った。


その時、綾瀬の表情が酷く大人びてみえたのは、気のせいだろうか。


しかし、何となく梅くんの手元に目をやった瞬間に、その事は頭から除外されてしまった。


「梅くん...、それ入れ過ぎじゃない?」


梅くんは、どこから出したのか、大量の角砂糖を紅茶に入れていた。


「僕、甘党なんです」


「いや、いくら何でも...それは身体に悪いって」


私が見たとき、既に紅茶は液体ではなく、アメーバのような状態でざらざらしていた。


「このこってり具合が何とも言えない味を出してるんですよ」


「...えー...」


アメーバ状の紅茶を喉に流し込む梅くんを、私はただただ見つめることしか出来なかった。