げーむ

「鈍感すぎるよ...」


試しに綾瀬の髪を軽くひっぱる。


「...うー...」


すると、小さく唸り声が聞こえる。


起こすのも可愛そうだと思ったので、私は綾瀬から手を離した。


綾瀬をつつく為にしゃがんでいたので、立ち上がると同時に振り返る。


すると、梅くんは元のパーカーを被っていた。


「あれ、またパーカー着てるの?」


もったいない、という言葉はさすがに言えなかった。


梅くんの顔はもう口しか見えない。


フードを深く被っているせいで、クリーム色の髪も数トーン色が落ちているように見えた。


「あんまり、人に素顔を見せるとは苦手で...」


「ふーん、そうなんだ」


「だから、さっきの事も人に喋らないで下さいよ?」


「さっきの事って...梅くんが美形ってこと?」


梅くんが顔を少し傾ける。


「美形...。自分ではよく分からないんですけど、この顔を公表してると、色んな人が寄ってたかって来るんですよね...」


そりゃそうだろう、と思ったが、口には出さなかった。


「僕、人がちょっとばかし苦手で...」


言った後に梅くんはこう付け足した。