げーむ

「そ、そっかー...」


語尾をごまかしながら、私はずっとパーカーを持っていた事を思い出した。


「あ、これ。梅くんのでしょ?かけてくれたんだ?」


梅くんはパーカーを受け取り、にっこり笑った。


「はい。美崎さん、寒そうだったんで。...つい」


ただでさえ綺麗な顔が、笑顔になることによって、もっと綺麗な顔になる。


『かっこいいな...』


つい、そう思ってしまった。


「...っと、あれ。綾瀬は?」


今更ながらに、梅くんと2人きりで話していたという事に気づき、話題をそらす。


部屋を見渡してみても、綾瀬はいない。


どこに行ったのか。


探そうと思い、一歩足を踏み出す。


ムギュ


「ん?」


何か踏んだ。


下を見ると、そこには...。


「綾瀬...」


床に這い蹲るような形で綾瀬が寝ていた。


寝ているうちにソファから落ちてしまったのだろうか。


さっき私が踏んでしまったのは、綾瀬の腕だった。


なのに、綾瀬は起きなかった。