ガラッ


また教室のドアが開いた。


誰が来たのかと思い、顔を上げると、


「...あ、綾瀬...。」


「美崎ッ!?良かったー、無事で!」


綾瀬だった。


そして綾瀬の手に握られていたのは...。


鎌だった。


鎌といっても、草かり用の小さい鎌だ。


でも綾瀬が持ってるその鎌は...。


「綾瀬...。何、それ。」


「ん?これ?」


何で...。


「何で...赤いの?」


そう、綾瀬が持っている鎌は真っ赤になっていたのだ。


「...だって、私が先にこの鎌見つけたのに、皆が横取りしようとしたから、ね?」


綾瀬は笑った。


私はその笑顔にいつも癒されていたはずなのに、今の綾瀬は何だかとても怖かった。


「あやっ...。」


「皆さん、全員いますか?」