人生ゲーム【リメイク】

「ゲーム?」

光は頭の中にボードゲームを思い描いた。

「これは普通のゲームじゃない。本物なんだ」

「本物?それってどういうことだよ?」

「とにかく明日、そこに行ってみてくれ。頼む・・・」

亮介は頭を下げるとすっと立ち上がり玄関へと向かった。

「ちょっと待てよ!これなんなんだよ」

光が亮介の肩を掴む。

「・・・儲け話だよ。お前も金欲しいだろ?」

光の目を見ずに答えると亮介は光の腕を振り払って走り出した。

開けっぱなしになったドアからそよ風が入りこみテーブルの上に置いてあった封筒がひらりと舞った。

光は亮介が走り去る後ろ姿を呆然と見送った。

いきなり訪ねてきたかと思えば勝手に言いたいこと言った挙句わけのわからない招待状を押し付けられたのだからどうしていいのか分からない。

光は溜息とつくと招待状をもう一度見直した。

「これ絶対やばいやつだろ・・・」

亮介は去っていく間際に儲け話だと言った。

暴力団関係かと疑ったが、その筋の人が招待状など出すとは思えない。

「行かない方がいいよな・・・」

集合時間は明日の夜11時。

「場所は・・・結構近いじゃん」

しかし奇妙なことにビル名は書いてあるが、光の記憶が正しければそこはとうの昔に倒産し今でも取り壊しが行われていない廃れたビルのはずだ。

どう考えても人を招待する場所ではない。

「これ以上足突っ込まねーほうが得策だな」

光は封筒にカードをしまうとゴロンと寝転がった。

そして目を閉じるとあっという間に深い眠りについたのであった。










薄い壁のおかげで鳥のさえずりがよく聞こえる。

光は体をよじって時計を見た。

「やっべ」

今日も日雇いの仕事が入っている。

昨日は思わぬ来訪で就寝が遅れたためか体がだるかった。

しかし行かないわけにもいかないので身支度を済ませるとすばやくアパートを後にした。

バイクで現場の近くまで移動している間も昨日のことを考えていた。

せっかく会えたのに近況報告も何もなく怪しい封筒を押し付けられたのだから気にならないはずがない。

光はもやもやした感情を胸に仕事へ向かった。