人生ゲーム【リメイク】

「悪いけどこれしかないわ」

光は水道をひねってグラスに水を注いだ。

まさか施設で共に育ったかつての家族に今日会えると思わなかった。

亮介は光にとって双子の弟のような存在だった。

施設ではいつも面倒を見ていた。

同い年で施設に入所したのも出所したのも同時期である。

来ると分かっていればせめてお茶かなにか用意したのだが、急すぎてそれさえも用意できなかった。

「いきなりごめんな」

亮介は渡された水に口をつけた。

「・・・何かあったのか?」

光は嫌な予感がした。

先程亮介は「誰に聞かれているかわからない」と言ったからだ。

亮介は過去に一時期荒れていて何やら危ない組織とも関係があったという噂を耳にしたことがある。

しかしそれはただの噂であると光は信じている。

一方で亮介は後先考えない性格であることも否めない。

亮介はそんな光の思いを感じ取ったらしい。

「いや・・・別にやばい話じゃないんだけどさ」

光は黙って亮介を見つめた。

「ここに行ってくれないか」

亮介はポケットから一枚の封筒を取り出した。

手紙を送るには不気味な黒い封筒。

光は恐る恐る封筒を手にした。

「開けていいのか?」

「うん」

中を開けると1枚のカードが出てきた。

「招待状・・・?」

カードの中央には集合場所と集合時間が記されている。

カードと封筒を裏返してみるがどこにも差出人の名前が書かれていない。

「これ何の招待状?」

一瞬誰かが結婚するのかと思ったが封筒の色と亮介の表情からそんなおめでたい話ではなさそうだ。






「ゲーム」





亮介は呟いた。