「あっという間に差が開いて見えなくなるでこれ」

猛が光に話しかけた。

「見えなくなったら電話でこまめに連絡取るようにしような」

「うん」

光は大きく頷いた。

こんなに心強いパートナーがいる。

光は負ける気がしなくなってきた。

「踏んだマスの内容と獲得した金額全部筒抜けになってるんやな」

猛は空中の表を指差した。

先程桃花の止めたルーレットが映っていたところには「困っているお年寄りの手伝いをしたのでお礼として2万もらった」と表示されている。

そして表の桃花の隣には+2万と出ていた。

他にもアスタリスクがついていたプレーヤーの隣にはそれぞれの結果が浮かび上がっている。

「5番のやつ、飼い犬に噛まれて治療費1万円やって!笑えるわ」

猛は大口を開けて笑った。

一覧表では-1万と書かれている。

光は5番プレーヤーの出だしの運の悪さに同情した。