「ってどうやってルーレット回すんだよ」

光は周りを見渡すがルーレットらしきものは何もない。

「おい!あれ見ろ」

30代ほどの顎に髭を生やした男性が空中を指差した。

プロジェクターも何もない空中に一覧表が浮かんでいる。

【ターン1】と書かれた下には名前がずらりと50人分並んでいる。

このグループの1番手はバッジ番号17の瀬戸桃花だ。

名前の隣にアスタリスクマークがついているのはルーレットを回すプレーヤーを意味するのであろう。

今5つのアスタリスクが表示されている。

名前の隣には5人分の大きなルーレットが映し出された。

それは目に見えない速度で回っている。

「瀬戸様。ストップと声に出したらルーレットは止まります」

瀬戸桃花は「ストップ」と声を出した。

左から2番目のルーレットがこのグループの物である。

光は桃花を見た。

どう見てもまだ10代にしか見えない若い少女。

なぜこのゲームに参加しているのだろうか。

ルーレットは「6」で止まった。

ルーレットの目は1~10まである。

「では6マス先までお進みください」

桃花は早足で6マス先まで進んだ。

マスとマスの間は1メートル程開いており、マス自体が直径1メートルあるので桃花は10メートル先へと進んだ。