【短編】コーヒーが飲みたい



食品売り場は、あたしが入った入口から一番奥のほうになる。




水溜まりもないしコーヒーまでは障害がない。



逸る気持ちを抑えながらも足は自然に急いでしまう。



もうすぐ……もうすぐ。




食品売り場に差しかかったところで

「あ、こんにちわ~。
買い物?」



すでに買い物を済ませたらしい、同じ団地の平野さんが声をかけて来た。



「あぁ~ こんにちわ。
うん、ちょっとインスタントコーヒー買いにね~」



もうすぐコーヒーに辿り着けるぞと、機嫌が良くなってるあたしは喜びを隠し切れない。



ニヤニヤしてると


「あ、そう言えばコーヒーが特価になってたよ?大分数も少なくなってたから急いだ方が良いかも」


なにっ?

これは急がねば。



「平野さん ありがとう」



そう言うと急ぎ足でコーヒーのコーナーに向かった。