【短編】コーヒーが飲みたい



分かりましたありがとう……と言い、肩を落としてその場を立ち去ろうとするあたしに毛虫が、今は無き特価のコーヒーの空間の横のコーヒーを薦めた。




さっきいっぱい観察した。


もう見なくても全て解ってるのさ。


薦めるのはやめてくれ。



300円じゃ買えやしないじゃないか。




虚しさを胸に抱えて、あたしは毛虫にさっきよりも不気味そうな苦笑いをお見舞いしてそこから離れた。





さぁ……あたしはコーヒーが買えない。


諦めて帰ろうか……



あぁコーヒー……


あなたに会えなくて、あたしはもうあなたの顔も忘れてしまいそうよ……







……と、おや?


食品売り場横の小さな喫茶店から、挽き立てのコーヒーを入れる焦げたような香ばしい匂いがする。



あっ

あなたの匂いは忘れないわ……っ



そうだ!!


喫茶店でコーヒー飲んで行くのは?



何もインスタントに
こだわる必要ないじゃん!!!



くーっ!!

名案名案!!



コーヒーちゃん待ってて~っ

すぐ行くわよぉぉんっ。