【短編】コーヒーが飲みたい



「すいませ~ん。
この棚の特価のコーヒー、もう売り切れですか?」


無いと言われたらどうしようと思いながらもストレートに尋ねた。



毛虫眉毛は……いや、店員は


「あらぁ?本当だ。
今見て来ますねぇ。
少々お待ち下さいね」


頭の先から声が出てんじゃないか?
と思える程かん高い声でそう言うと、ニッコリ愛想笑いをして店の裏に通じる観音開きのドアの向こうに消えた。



……笑うと毛虫が体を
「くの字」に曲げたみたいだな。


それにあの声……ぷぷぷっ
滑稽にも程があるよっ
ぷぷっ


などと失礼な事を考えながら、コーヒーの瓶の詰まった箱を台車に乗せて出て来るだろう毛虫眉毛を待った。




いや、店員を待った。