「…そういえば錦くんと木曽くんは、中学同じだったよね?」
…こんなつまんない話題で大丈夫だろーか。
ますます変な空気になったらどうしよう。
言ってから冷や汗が流れる。
「ああ、そーいえば!」
「俺らクラス一回も同じになったことないね」
感じ良く答えてくれた二人。
…さすが翔太の友達。良い人じゃん。
「…なんかここに来るまでお互い緊張してなんも話せなかったな」
クスクス笑いながら錦くんは言った。
…男子も緊張してたんだ。
もっと早く話しかけてれば良かったな。
「山ん中では、楽しくトークしながら登ろうぜ」
木曽くんもVサインして、にっと笑う。
私も笑って頷き返し、バス待ちのベンチに座った。
隣に座ってきたのは、柚月ちゃん。
私にしか聞こえないように話しだした。
「…どうしよう。私、緊張して話せなくて…」
「大丈夫。錦くんも木曽くんも凄く良い人だよ。並木くんだって七海ちゃんの彼氏だもん。良い人に決まってる。」
「で、でも何話したらいいか…」
「錦くんと緊張しちゃうなら、まず翔太と話してみればいいよ」
翔太が誰にでも優しいの知ってる。
翔太は声を掛けてくれた子を突き放すような冷たい奴じゃない。
誰にでも平等に、温かい笑顔で迎え入れてくれる。
…だから翔太には、たくさんの友達が居るんだ。
コクンと頷き、柚月ちゃんがベンチから離れた。
