「…雀」
前を歩いていた翔太が、近づいてきた。
…今は来てほしくない。
痛いのがばれちゃう!
「ほら」
そう言って差し出された手。
私は訳が分からず、首をかしげる。
「荷物。もつよ」
「えっ!…なん…」
「さっきくじいたところが痛むんだろ?本当はおぶってやりたいけど…雀の性格じゃ、それは許してくれそうにないから。」
クスッと笑って私から荷物を受け取る。
私だって翔太の性格、知ってるよ。
今ここで荷物を渡さなかったら、私をホントにおんぶしてっちゃうでしょ。
「…ありがと」
さっきと同じ一言しか言えなかったけど、今度は笑顔で返せた。
私だってできる女よ!
成長していかなくちゃ。
ニッと優しく笑って、再び翔太は歩き出した。
