「すーずーめっ。翔太、かっこいいねっ」
ひそひそと耳打ちしてくる唯ちゃんは、憎たらしいいつもの笑顔。
「でたよ!唯ったら他人となると強気ね!自分の彼氏とは人前じゃ手もつなげない癖に!」
「ち、ちょっと柚月~~!それ内緒だってぇえええ!!」
笑いあいながらもすでに足は進んでいて、いつのまにか電車に乗車するところだった。
乗り込もうとした瞬間
ガクッ
「…あっ!」
電車とホームの間がとても広かったみたい。
足が挟まって前に倒れそうになった。
「あぶなっ…」
倒れる!?
「っ!!」
…
…
……?
恐る恐る目を開くと、翔太が私の腕をつかんでいた。
それでも遅かったらしく、車内入口付近で両膝をついてしまったけど。
「…っぶね。雀は天然なんだから、気をつけろ?」
ボッと、一瞬で顔が熱くなる。
翔太の顔が目の前にあって、思わず目を逸らした。
「あっ、ご…めん」
すぐに体制を立て直し、一言だけ返してまた女の子たちの方へ戻った。
…恥ずかしい。
好きな人の前で変な転び方して。
それを助けてくれたのに、素っ気ない態度取って。
周りの乗客も、ひそひそ話しているのが聞こえた。
(何やってんの…雀。)
