「早く飯食って行かねぇと遅刻すっぞ!」
…そういう亮介くんだって、まだパジャマじゃない!!
っていうか、童顔の亮介くんがパジャマなんて着て…唯ちゃたちが見たらどうなってしまうのやら。
わ、私は可愛いなんて思ってないんだから!!絶対!!
「行ってきまーす」
早々と朝食を済ませ、重い玄関のドアを押す。
…期待で胸を膨らませた私は、誰も居ない早朝の街中で一人スキップを始めた。
唯ちゃんたちとは駅で待ち合わせ。
学校全体の集合場所は高尾山のふもとなので、そこまでも班で行動しようということになっている。
…つまり、翔太と一緒に居る時間が増えるってこと!
私の家は駅からそう遠くないので、すぐに着いてしまった。
「…あちゃ、早く来すぎた。」
独り言をポツリと呟くと、後ろから聞き覚えのある声がした。
