「っ・・・はぁ・・・」
上がった息を整えながら、ゆっくりと校舎に入る。
一斉下校ということもあって、校舎には人影が無い。
夕方だけど、不気味だなぁ…。
ふと、朝のニュースが頭に浮かんだ。
「今朝4時頃、友人宅から帰宅途中だった小枝高校1年生、最上加奈子さん(16)が、小枝高校付近で不審者に遭遇。男は下半身を露出し、墨田川方面へ逃走しました。警察は今も行方を捜査中ですが、犯人は未だ逃走中です。」
そう、「小枝高校」とはまさに私が通う高校。
今ここにいる…この場所こそ、小枝高校。
一斉下校の理由は…この事件。
ぞぞぞっと背中から寒気を感じる。
後ろを振り返っても、もちろん…誰もいない。
あああ…今になって朝のニュース思い出すなんて…!
早く教科書を取ってさっさと帰ろう!
教室に着いて、教科書をカバンにしまう、まさにその時だった。
-------コツコツと廊下に響き渡る足音。
それはだんだんこちらへ近づいてくる。
生徒はいないはず…先生かな…?
一応身を隠そうと、机の下に潜る
「ギィッ…」
…しまった!
誤って机を動かしてしまい、鈍い摩擦音が響いた。
「…誰か居るのか?」
…聞いたことのない低い声。
先生達じゃ…ない?
ふたたび頭をよぎるのは、朝のニュース。
