優雅SIDE
私だって、一応彼氏だっていた。
何か少しだけ気になってる先輩だったから告白してみた。
けど、何か心が物足りなさを感じていた。
好きって言う感情を忘れていたのかもしれない。
淋しいのか分からないけど･･･。
愛も何もない気がした。
自分の好きな人も分からなかった。
人を好きになるなんて言う感情も分からなかった。
「月の異名。」
私の通う喫茶店。
淋しくなったとき悩んだとき。
そう言うときに私はこの喫茶店に行く。
後、もう一つ理由があった。
誰か自分を救ってくれる人に出会える気がしたから。

「いらっしゃいませー。」
いつも通りの明るい店内。
私は静かに入っていく。
「睦月さんお久しぶりです。」
そういってマスターの睦月さんに微笑む。
「今日は何で来たの？辛そうにも見えないし。」
睦月さんは優しい。
私のことを何も聞かずに受け入れてくれる。
だけど、私を救ってくれる人じゃない気がするんだ。
「ちょっと・・・」
そうとだけ告げて自分の特等席に行った。
別に場所が決まってる訳じゃないけど。
カウンターの一番端の席はいつも私の特等席になった。
睦月さんは何も言わないでいてくれる。
自分の気持ちを察知してくれるといつも思ってた。
「ハイ。オススメ。」
「やっぱり分かっちゃった？」
「ん？まぁね。」