「え?ここって何のお店なんですか?」
「喫茶店。」
「オススメ下さい。」
来たことの無い所では必ずそれ。
オススメを飲んでみて美味しかったらまた来る。
いつもそうやってるから。癖が出てしまった。
「えっと・・・あの・」
失礼だった気がして何かを言おうとしたけどヤメタ。
「オススメ作ってあげるよ。」
そう言って真剣に何かと何かを混ぜ始めた・・・
真剣な睦月さんの姿に見とれてしまった。
「どーぞ。」
そう言って無邪気に笑う睦月さんは同い年の男の子に見えた。
「ありがとうございます。」
なんとなく気を許してしまった。
「美味しい。何ですかこれ?」
「企業秘密だよ・・・。」
人は一人もいなくてコの店本当にやってるんだろうかと思った。
「あの。他の人は?」
「店の人は俺一人。お客さんは今日はこの店の定休日だから来ないよ。」
そう言った。だから外にいたんだ。
お客さんがいる時に来たい。と思った。
そう思って自分の意見を言った。
「また来ても良いですか?」
相手の迷惑を考えれば良かった。
迷惑だよ・・・そうだよ。
「嬉しいよ。来てくれるの?」
そう言って喜んでくれた睦月さんがすごく可愛く見えて。
好きになり始めていた。
もしかしたらもう愛し始めていたのかもしれない。
お互いに。
「そーだ。名前は?」
「麗子です。」
「メールアドレス教えて。」
「はい。」
赤外線送信をした。
いつでも連絡が取れるとか思ったら嬉しくなった。
もっと関わってみたい。
たぶんもう私は落ちていたんだ。
「1人で帰れる?」
子供みたいに扱われると淋しかった。辛かった。