届かぬ出ぬ声。

「だって私は・・・憐さんの事初めてあったときから・・・」
気まずそうに口をもごもごさせて、
優雅ちゃんは言った。
あぁ本気で好きなんだなぁって思えた。
ごめんね。利用して。
だけど、睦月さんは私のこと見てくれないから。
「知ってたけど?俺は麗子ちゃんが好きなの文句ある?」
だから優雅ちゃんは私の事を睨み付けたんだ。
根強い想い重い嫉妬。
あぁ嫉妬は綺麗だ。
私の狂っていた物がまた暴れ出してきた。
「気付いてたなら何で・・・」
そう言って優雅ちゃんは泣き出して私の首を絞めた。
「何でよ。あんたのせいで・・・」
「お前は関係ないだろ?」
そう言って憐さんは優雅ちゃんを引き離して私を後ろから抱きしめた。
憐さんは甘い香水のようなニオイに煙草のようなニオイだった。
そういうニオイに包まれて私は少し嬉しかった。
暖かい。これが愛なのかなって思えた。
けど、ごめんなさい。
私のせいで苦しんでる人がいるの楽しいんだよ。
私は性格悪いから。
これが私の本当の姿。
「睦月さんは文句ないよね。惚れてないんだし。」
そう言って憐さんは睦月さんの方に歩き出そうとした。
私はその時後ろを振り向いて憐さんの背中に手を回していた。
暖かくて離したくなかったから。けど涙が零れてきた。
憐さんも睦月さんも心配そうな顔をしていた。
「麗子ちゃん?」
そういってのぞく憐さんの顔を見て想った。

私はこの気持ちに嘘つけないんだって。