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「うし、これで終り」

「おつかれ様です」


 
ふうと一息ついて片付けを終える。

お供えのお花が来たときよりも少し華やかになった。

そして、線香に火をつけて手を合わせる。


目を閉じて、思う。

きっと祐平さんにとって間宮さんはとても大事な弟だったと。

間宮さんには幸せになって欲しいと思っていると。


あたしが、絶対に幸せにします。

そう、思う。

 
ふと目を開けると、未だ隣で目を閉じ手を合わせている間宮さんがいた。

じっと見ていると、間宮さんのめがぱちりと開いて目が合う。

 

「なに見つめてんの」

「み、見つめてないですよ」

「嘘つけ、今俺の事見てただろ」

「それは…何を思ってたのかな、とか…」

 

確かに見入っていたから、図星を指されぐっと言葉が詰まる。

苦し紛れにそう言うと、間宮さんは微笑する。



「お前は?」

「あたしは…その」

「なに」

「間宮さんを幸せにします、とか…」

「ぶ!」



自分でもそう思ったのはおかしいとおもったけれど、

間宮さんはツボに入ったのか爆笑し始めた。

あたしはそれに恥ずかしくなって、手の甲で頬を冷やしながら怒る。