たどり着いたそこにあるのはとても綺麗なお墓だった。

掃除もきちんとされていて、既に花も供えてある。

数日前に、誰か来たんだろうか。

そう考えてふと思い出す。

…きっと、沙織さん。


 
「沙織さん、頻繁にここ来て掃除とかしてってるんだよ」

「今でも、想ってるんですね」



目に浮かぶ、彼女の姿。

せっせと掃除をして、愛しそうに花を添える姿が。

今も思い続けている証拠が。

あたしの胸をぐっと詰まらせた。


 
「それに比べて、俺はせいぜい月に1度来るか来ないか。こんな近い場所にあるのに」

「どうしてですか?」

「後ろめたさかな、やっぱ。あと、祐平は俺に来て欲しくないだろうなとか」

 

そんなことないよ。

そう言おうと思ったけれど、

間宮さんはもうそんな風に思っていないのは、わかっているから。

 
あたしは何も言わずに袖をまくって、掃除の準備を始めた。



「もう既にきれいですけど、一応間宮さんも掃除しよう?」

「…ん」

 

そう言って、間宮さんも腕をまくる。