「帰る?なら送るけど」
時計を見ると11時を少し過ぎている。
間宮さんは一命を取り留めてもう安全なのだろうけど、今更帰る気にもなれなかった。
「折角なんで、泊まってきます。明日休みだし」
「マジでー?まあ、制服でこの時間歩いてたらアレか」
そう俊介くんが言うから、自分の服を見ると制服だった。
学校の帰りだった訳だし当たり前か、と納得する。
「なら俺もこっちいるわ。どうせ明日朝一で来ようと思ったし」
確かにまた朝くるのも二度手間かと思いながら、間宮さんの病室の前まで行き、椅子に荷物をおろした。
「じゃ、俺あっちにいるから」
「あ、はい。おやすみなさい」
俊介くんとは別々の場所で、あたしは眠りに落ちていった。

