嘘カノ生活

* * *

 

「あたしって、間宮さんの彼女なんでしょうか」

「えー?」

 

間宮さんの両親が帰った後、あたしは病院の椅子に腰掛けていた。

隣であたしにジュースを差し出す俊介くん。

それをあたしは「あ、すいません」と言って受け取った。


缶ジュースのプルタブをあけて、一口飲み込んだ。

俊介くんはコーヒーを買ったようで、同じ様にそれを飲んでいる。
 
 

「だって、確かに"今は"別れてないから彼女かもしれないけど」
 
「今は、っていうかまあ、うーん…。それで?」

「間宮さんあたしに言ったんです。ちゃんと話すからって。それってもしかしたら別れようって事かもしれないでしょ?」

「…はあ?」

 
 
あたしの話に、素っ頓狂な声をあげる俊介くん。

コーヒーを持つ手を下ろして、あたしの方を見た。
 
 
 
「それってもしかしたら、ちゃんと別れようって言えなかったことかもしれないって思って…」 

 
 
ちゃんと話すから。

それは、ちゃんと別れようって言えなくてごめん。

そういう意味かもしれないって。