嘘カノ生活

…甘えたらいけないと、そう思うのに。

好きだといってくれるなら、尚更ダメだと思うのに。


糸が切れたみたいだった。

我慢の糸、が。
 
 
 
「間宮さんっ…、ずっ、と、連絡取れなくって…」


聞き取りづらい言葉だったはずなのに、関谷はうん、うん、と黙って聞いてくれた。 
 
 

「さっきも、し、知らない人たちに絡まれて…っ。き…キスっ…」

 
そこから先を言おうとしても、詰まる声。

言葉に出来ない。 
 
 
そんなあたしを見て、関谷は察するように言った。



「キス、無理矢理されたの?」 
  
 

 
ああ、ダメだ。

一筋に流れる涙。


もう、頷くことしか出来ない。

言葉に出来ない。