あたしには1人の妹と3人の弟がいる。
しかも長男を除けばあとは全員小学生。
父も母も毎日遅くまで働いてはいるものの、それでも家計は苦しい。
だからここはあたしがバイトをたくさんして加勢するしかないと思った。
「柏木さん、コレも4番テーブル!」
「わあっ、はい!」
2番テーブルから帰ってくると、また直ぐにキッチンから料理を2つだされた。
あたしはそれを両手に持ち駆け足にならない程度の速さで持ち運ぶ。
だけど忙しい時間帯に焦っていたのか気が散っていたのか、
目の前から来る客に気づきもせずぶつかってしまった。
「わっ!」
「わ!申し訳ありません!」
そう言うとお客は快く許してくれた。
でもその時、料理の上に載っていたエビがコロコロと皿から逃げ出す。
それが大変なことだと気付くのに、時間は要らなかった。
いくらぶつかったとはいえ、大事なエビがなかったら…
……。
でもそれは、このサラダにエビが1つしか入っていない場合で。
不幸中の幸いで、エビは5個入っている。
…1つくらいなくなっていたって、バレないよね。
そう考えて、落ちたそのエビをこっそりとゴミ箱へ捨てた。
"あの人"が見ているとも知らずに。
しかも長男を除けばあとは全員小学生。
父も母も毎日遅くまで働いてはいるものの、それでも家計は苦しい。
だからここはあたしがバイトをたくさんして加勢するしかないと思った。
「柏木さん、コレも4番テーブル!」
「わあっ、はい!」
2番テーブルから帰ってくると、また直ぐにキッチンから料理を2つだされた。
あたしはそれを両手に持ち駆け足にならない程度の速さで持ち運ぶ。
だけど忙しい時間帯に焦っていたのか気が散っていたのか、
目の前から来る客に気づきもせずぶつかってしまった。
「わっ!」
「わ!申し訳ありません!」
そう言うとお客は快く許してくれた。
でもその時、料理の上に載っていたエビがコロコロと皿から逃げ出す。
それが大変なことだと気付くのに、時間は要らなかった。
いくらぶつかったとはいえ、大事なエビがなかったら…
……。
でもそれは、このサラダにエビが1つしか入っていない場合で。
不幸中の幸いで、エビは5個入っている。
…1つくらいなくなっていたって、バレないよね。
そう考えて、落ちたそのエビをこっそりとゴミ箱へ捨てた。
"あの人"が見ているとも知らずに。