嘘カノ生活

「よし、じゃあ朝未下まで連れてくわ。またな、お前ら」 

そう笑って、一人ずつ頭をくしゃりと軽く撫でた。 
 
それが嬉しかったのか、4人とも口元を緩ませる。
 
 
間宮さんが玄関に向かったから、あたしは適当にコートを羽織って革靴を履き、一緒に外に出る。 
 
 
 
 
外に出ると、さすがにまだ冬だから制服にコートを着ても寒い。 
 
 
 
階段を下りて、間宮さんの後ろを着いていく。

その間、会話は何もなかった。

ただ白い息を吐き、寒いなと思うだけだった。
  
  
 
「今日ありがとな」

「あ、いえ。楽しかったです」

1階まで降りたとき、間宮さんはふいに振り向いて言った。


 
「お前ん家はにぎやかだな」

「うるさすぎるくらいですけどね」


吐く息はやっぱり白くて、2人して笑うと、

軽い霧がかかったみたいだった。