「じゃあ、俺そろそろ帰るわ」
間宮さんがそう言ったのは、夕飯を食べ終えて数十分した頃。
時計の針は7時を指していた。
それを聞いて、弟妹はいやだいやだとだだをこね始める。
「もっと遊ぼうよー」
「お泊りしないのー?」
「壮兄ちゃんと寝るー!」
間宮さんに必死にしがみつく由梨。
気持ちはわからなくもないんだけれど、間宮さんはどうしたら良いかわからない様子。
「壮お兄ちゃん困ってるから、今日はバイバイね?また来てもらおうよ」
あたしはなんとか説得しようと言った言葉に、間宮さんはぴくりと反応した。
どうしてかはわからなかったけど。

