「良いだろー。独り占めだ」 後から、間宮さんがそう言ってあたしの頭をくしゃりと撫でる。 さっきのあの雰囲気を蹴散らして。 あたしはそれに流されることしか出来なかった。 それでよかったんだろうか。 結局、何も言えなかった。 そのまま間宮さんはあたしを離して、弟たちの方へ戻っていった。 そしてそんな風に何もいえなかったことを、後になってひどく、ひどく後悔することになる。