「夕菜ー、おはよう」
「あ、朝未おはよ」
教室に入ると友達の夕菜はもう来ていた。
「何、2人一緒にきたの?」
そういってあたしの後ろを指さした。
後ろには関谷が立っている。
「え、たまたま会ってさ」
「おー、偶然だ偶然!」
「ま、一緒に登下校する日は近いんじゃなかな?」
と、半笑いを浮かべながら夕菜はあたしの肩をポンとたたいた。
よくわからないけれど、夕菜は毎回こんな感じだからあたしも気に留めないようにしている。
「ねえ、関谷君?」
そして夕菜は関谷の方をチラリと見ながら含み笑いをした。
「う…うっせ!じゃな、柏木!」
「あ、うん、」
関谷もおかしな夕菜に呆れたのか違うのか、そう言うと男友達の方へ喋りに行った。
「何かしらないけど言いたい事あるならちゃんと言ってよ?」
「あは、は~い」
いまだに夕菜はふふふ、と笑いをこらえきれないようだったけど、やっぱりそんなのはいつもの事なので聞かなかった。

