嘘カノ生活

「…よし」

「え？」

　
　
息混じりのかすれた声で囁いて。　
　
　
　
「言っておきたい事があるんだけど、さ」
　
「なんですか？」
　
　
　
前を向いている俊介くんの明るい表情はどこか遠くへ行ってしまったような、真剣な表情。　
　
あたしもつられて真剣な表情で前を向いた。　
　
　
　
「あいつ、壮。SASAKIでバイトし始めたのが確か今年の5月頃」　

「え？あ、ああ…」

　

ぽつりぽつりと話し始めた言葉の意味が、あたしにはよく分からなかった。　
　
けれど確かに、間宮さんがSASAKIに入ってきたのは5月ごろだった気がする。　
　
　
　
「あいつと俺、一応高校からの友達なんだわ」
　　
　
　
これから話の内容がまったく理解できないまま、俊介くんは続けた。