嘘カノ生活

でてくるのはため息ばかりで。

こんなところにいたら、会ってしまう。 
 
だけど、夕菜は今行ったばかりで。
 
きっと1時間近くは帰ってこない。 



やっぱり時折通る人は、あたしをチラリと見ていく。 
 
 
「回って見ちゃ、だめかな」
 
そう思い、あたしは近くを通った生徒っぽい男の人たちに尋ねた。 
 
 

「あの、すいません」

「はい?」

 
あたしは3人ほどで帰ろうとしている人たちに声をかけた。
 
女の人が1人、男の人が2人。
 
そのうちの男女はカップルなのか、ピッタリくっついていた。


 
「あらー、かわいい子!どうした?」
 
彼氏っぽいような男の人がやけに大きい声で答えてくれた。 
 
 

「ちょっとー。かわいいって普通彼女の前でほかの子に言う?!」

そういって怒り出した彼女。

「ごめんごめん」

 


あたしの言うことなんか聞く耳を持たないようで。

困っていると、もう一人の男の人が声をかけてくれた。 
 
 

「こいつらほんとバカップルでごめんね。で、どうしたの?高校生でしょ?」

「あ、はい。あの、友達が来年ここ受けるらしくて今話聞いてるんです。その間キャンパスの中見て回って良いのかなーって…」

「あ、全然大丈夫。高校生なら見学してるって思われるだけだから」 
 
「そうなんですか、ありがとうございます。じゃあ」