~第1回演奏あり歌練習~

私は大分緊張していた。
下手とか言われたら普通に傷つくし、
できるか不安だった。
「1回やってみようか」 担任が言った

ピアノの人が始めた
私は自分で書いた楽譜をよみながら
精一杯たたいて歌った

その時はみんなの声なんか入ってこなくて
ピアノとあわせるのに
必死だった。

「1回アカペラで歌ってみよや」
担任が言った

私ら演奏組はお休み。

「せーの」
で始まった歌はやっぱ小さくって
聞こえないくらい小さかった

大丈夫なんかな~って思っていた時に

1人だけすごく大きな声で飛びぬけうまい歌の人がいた。

三木健くん。

終わったあとに
健くんが
「なんで声出さんので?大田さんとかこんなに
がんばって演奏してくれとんの
俺らの声の小ささで無駄にするってひどすぎるやろ。
恥ずかしいとかなしで皆声出して1位とろうや!!」

って言った。

私はその日から三木健が好きになった。
大好きになった。恋した、恋できた。