私は、アイツの死も桃華が目を覚まさないことも受け入れられなくて、自殺をしようともした。


でも、死ねなかった。


私の命はアイツの残したモノだから。桃華は生きているんだから。そう思いながら、必死に生きた。



「桃華・・・」



ねぇ、桃華。私ね、アイツが死んだことをやっぱり信じたくないよ。あんたが目を覚まさないことも。


全部夢ならいいのに。


でも、現実は甘くないんだ。ほらだって、こうして桃華は眠ってるんだもん。



「目を覚ましてよ、桃華・・・」



アイツみたいに死なないよね?


泣きたい。怖い。私が、一番大嫌いなこと知ってるでしょ・・・?



「独りぼっちにしないで・・・」



微かな風が吹き込む静かな病室に、涙混じりの私の声が響いていた。