牙龍 私を助けた不良 上

何とも言えない。凜華は、姫蝶が今はそっとしておいて欲しいと、そう言っていた。


心の整理がつかないまま、何を伝えられるというのか。無謀だろうとしか言えない。


凜華に、何を言えばいいのかすら分からない俺に、今何ができるんだ。


黙ったまま下を見ていると、ふと暁が動く気配がした。



｢なんや、センチメンタルっつーやつなんか？｣


｢いや、そうじゃない｣


｢ふーん・・・｣