彼女がそのまま玄関から上がると、ぺたりぺたりと足音がする。


よく見ると彼女は靴を履いておらず、立っていた場所には紅くなった雫が点々とある。


血の臭いに気付いたのか、ミライがブワッと毛を逆立てて、少女にひしとしがみつく。


薄い服が、少女の冷たい身体にぺったりと密着して線の細さが強調し、彼女を今にも消え入りそうに見せる。


雨音だけがする薄暗い部屋の中を歩き、少女は浴室へと向かうとミライを床へ下ろした。


するとミライは、凜華が棚から出したタオルに濡れた身体をこすり、ぱたぱたと身体を震わせた。