牙龍 私を助けた不良 上




歩夢は、自らが庇護対象として守る少女を思い浮かべる。大切な、とても大切な人を。


あの小さな背中に、大きな鎖を繋げて生きている少女が、信頼の元で自分に『knight』として願いを下したのだと、実感しながら。



「あの子は確実に、執行する」


「・・・歩夢のお姉さん、だっけ。その人は、彼らにとって敵なの?見方なの?」


「彼女は中立存在だ。ただ、私にとっては犠牲者だ」



敵は要らないのだと言い続ける『あの子』は、仲間のためならば犠牲は付き物だと言っていた。


自分が、全てを背負うからと。守りたいという欲が、人一倍強いお節介なだけだって。