牙龍 私を助けた不良 上




* * * * * *


同日、同時刻、某病院。



「・・・あの人が?」


「・・・・・」



少女の問いに、よく見れば銀の混じった漆黒──黒銀の長髪の彼女はコクンと頷いた。


少女が側に居る男に目を向けると、彼も肯定するように静かに頷いてみせた。


いつの間にか、降り出していた雪は雨に変わっており、病室内にその音が響いていた。



「歩夢(アユム)さんが言っていることは本当だ、桃華」


「戒希・・・」



少女──桃華は、男──戒希の諭すような言葉に、半信半疑で彼女を見た。


自分と同じ名で──『狼姫』と呼ばれている、自分の友達である少女・歩夢を。