すると木藤は意外そうな顔をしたかと思うと、ふっと青い目を細めて頬をふわりと緩めた。


笑った───。



「────・・・」



あまりにも綺麗に微笑んでいたから、私は言葉を失って木藤の笑みをただ静かに見つめていた。


木藤はそんな私を見ると、大きな手で不器用に頭をくしゃりと撫でてきた。


子供扱いされてるような気がしたけど、頭を撫でられるのが何だか気持ちいいような、くすぐったいような気持ちになった。


何となく・・・分かった気がした。


牙龍がいい族だって言われるのは・・・こんなふうに、不器用でも優しい木藤が総長だからだろうな。