聞いてもいいか少し迷ったけれど、聞かないと気になると思ったので、聞くことにした。 「何で、日本にいるんだ」 「・・・いや、あの、うん」 「・・・(コイツ、逃げてきたな)」 ニコニコしていた顔はそのままに、冷や汗をかいたようにしどろもどろになる男。 呆れたように溜め息を吐けば、木藤は何を思ったのか私にちらりと視線を送ってきた。 何でもない、と木藤に視線を送ると、私はもう一度口を開いた。 「まさか、無断で日本に来たのか──兄さん」