side:凜華 今だかつて、こんなに驚いたことはないと思う。 表情が豊かじゃない木藤まで、驚いたように目を開いているんだから、あながち嘘じゃない。 まさか、この人がたかが約一ヶ月ほどの入院ごときで日本に帰ってくるなんて。 「・・・凜華の、知り合いか?」 「お前こそ、凜華の知り合いか?」 病室の出入口である扉の前に、仁王立ちで腕を組んでいる人は、見事なまでに綺麗な男だった。 私とよく似た赤茶色の紙はサラサラで、茶色の瞳は正面から木藤を見下ろしている。