side:凜華 それを聞いただけで、苦しくて、悲しくて、悔しくて、やるせなくなる。それなのに。 ──及川って、知ってるよな? あぁ、知ってる。忘れたりなんか、出来るわけない男の名前だ。許せないやつだ。 「・・・どうして?」 ・・・どうして、言わなければならないんだ。 手をギュッと握り締めて、混み上がってくる感情に耐える。 そんな中、彼──木藤龍騎は、決心したように深呼吸して言った。