俺が緋龍──凜華に出会ったのは、その抗争が起きた日の前日。 その時俺は、まだ牙龍の幹部候補でしかなく、下のメンバーの大勢の中の一人だった。 そんな俺が、探しても見つからない緋龍に出会ったのは奇跡だったんだと、今更ながらに思わされた。 そんな凜華が、どうしてこの町に戻ってきたのかは分からない。 「俺は、・・・・・」 何やってんだろう。 助けてもらったのに、強くなるきっかけをくれたのに、何もしてあげられていない。 澄みきった青空を見上げると、フェンスから背中を離して立ち上がった。