望夢は、そのまま玲矢から鍵を受け取ると、カウンターの奥に引っ込んでしまった。
玲矢と戒希はカウンターに腰掛ける。空調が効いていて、温かいので戒希はコートを脱いだ。
肩から首筋にかけて入っている傷が、少しだけ見える。
「・・・消えないのか、その傷」
「薄くはなるけど、縫ってるからな。完全には消えないだろうな」
戒希は苦笑しながら、傷に触れる。三年前、大切な人を守った時に負ってしまった傷だ。
玲矢は少しだけ複雑な面持ちをしていたが、すぐに苦笑して、そうかと言った。
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