牙龍 私を助けた不良 上




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・・・寒いな。


狼のシルエットが描かれた白いバイクに乗った青年は、秋下旬の空の下を走っていた。


気味が悪いくらい真っ赤だった夕日を見た翌日、その早朝は冬が近いためか寒い。


薄手だが、寒さを凌(シノ)げるコートに身を包んでいるが、青年は白い息を吐いている。


彼が、会いたいと連絡を受けたのは一週間前のことになる。


連絡をくれた懐かしい知人は、あの頃より随分と落ち着いているようだった。時間が、経ったことを物語っている。


ヘルメット越しに、目的地であるカフェテリアが見えて来た。


知り合いが働いているらしく、早朝にも関わらず開けて貰えるらしい。


青年が駐輪場にバイクを止めて、カフェテリアの前に行くと、そこには既に知人が立っていた。