「夜間用の受付を通る時、看護師さんに渡されたの」
『緋姫凜華さんのお見舞い?』
『はい』
『それなら、これを渡して貰えないかしら。『緋姫凜華』が見舞いに来るから、彼女に渡して欲しいって頼まれたの』
『はい、構いませんよ』
『ごめんなさいね』
その時の会話を教えてくれた。凜華は、誰かの見舞いに来ていたらしい。
だが、手紙を渡された看護師は凜華のことを知らないから、困っていたらしい。渡して行ったのは、男らしい。
首の辺り──左肩から十数センチの傷を縫った後があったらしく、他の看護師によれば常連らしい。
数年前から週一でやって来るらしく、特別階──つまり、ここ凜華の病室がある三階に知り合いが入院しているらしい。

